減圧術で入院が必要なのか
当院では日帰りで行っている各種の手術や点滴治療。
他の日本の施設では入院で行っていることがほとんどです。
いままでに前橋のクリニック開院から2年間、500例ほどの全身麻酔手術をおこなっています。
減圧に限って言えば300例くらいやっていますが入院しなければいけなくなったことがありません。
では入院を勧める理由はなんなのでしょうか。
入院の方が良い、というからには明らかなメリットがないといけません。
素直な心で、単純に比べてみましょう。
入院の一番のメリット、それは看護師が近くにいることです。
そのほかにも毎日診察が受けられること、ご飯が出てくることが挙げられますが
これは毎日クリニックに通って、帰りにコンビニ寄れば解決しますから
どうしても入院が良いというほどのメリットではありません。
では看護師が近くにいることで良いのはなんでしょうか?
ずっと見てないといけない状態の方(簡単に言うと死にそうな状態の方)は
身体にモニター付けて異常があったら看護師が飛んできて、なんらかの処置をしてもらえるということでしょう。
実は僕は入院したことが2回あります。
1回目は小さいころ、膝の裏の脂肪腫を取る手術をしてもらいました。
でも小さかったのでよく覚えていません。
2回目は15歳の時、十二指腸潰瘍穿孔で汎発性腹膜炎の状態になって開腹手術しています。
今でもお腹に縦に傷があります。ゾロとかケンシロウのようにカッコいい傷ではありません。
当時は1週間絶飲食、2週間入院でしたが、本当につらかった記憶があります。k
前半は絶飲食のつらさ、高カロリー輸液で栄養は十分でもされていてもお腹が空くんですよね。
後半のつらさはやることがなくて退屈なつらさ。
胃腸の動きが回復するまで入院と言われても、
診察は朝の回診だけ。
15歳の体はどんどん元気になっていきますから我慢しきれず
同室の足の骨折で入院していたお姉さんと
その同級生のお兄さんとナースに無断で外出して
チャーハン食べちゃったのは良い思い出?です(笑)
入院すると1日3万円くらいになります。
3割自己負担で1万くらいです。
1週間入院しただけでも結構な出費になる上に、生活に不自由を生じます。
Wi-Fiが整った病棟がどれだけあるか。
毎日洗濯された衣類を提供してくれる病院がどれだけあるか。
おいしい食事を提供してくれる施設がどれだけあるか。
シャワー、お風呂は自由に使えない、それどころか何日も洗髪できなかったりします。
綺麗な衣類は基本的に自分で用意しなければなりませんから
基本的に家族の付き添い、近隣ホテルへの宿泊が必要です。
そこで考えていただきたいのですが、眼の手術で本当に入院は必要ですか?
看護師がすぐ飛んでこないと死んでしまうような状態になりますか??
朝の回診して、そのあとは点眼くらいしかやることはないのです。
1日1万円の自己負担を払ってまでそういう環境に身を置きたいですか???
留学した米国ではすべての眼科手術が日帰りでした。
そもそもベッドがないんです(笑)
入院希望があっても入院できません。
患者はそれこそ世界中から来ていましたがホテルに泊まっていたんです。
だったら日本でも同じことが出来るだろうと思いました。
留学費用、群馬で一軒家が買えるくらいの金額がかかりましたが
そうやって身を削って経験してきたことを日本の皆さんに応用出来ていることに喜びを感じています。
いろいろな施設があっても良いと思いますし
ご本人のご希望さえあれば入院するのも良いですが
基本的に相当全身状態の悪い方以外に入院の必要は無いと思います。
2018年手術実績
群馬大学 眼科 非常勤講師
涙道涙液学会 理事
オキュロフェイシャルクリニック東京 中央区銀座1丁目ビル8F
03-5579-9995
http://www.oc-tokyo.com/
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