生まれつきの
眼瞼下垂
(先天性眼瞼下垂)

オキュロフェイシャル
クリニック
グループ総括院長

鹿嶋 友敬

Tomoyuki Kashima
/ MD, PhD

患者さんへのご挨拶

群馬大学医学部を2002年に卒業後、群馬大学の眼科に入局、伊勢崎市民病院、佐久総合病院、大和病院など様々な病院で働いてきました。2009年から群馬大学眼科に眼形成外来を開設して以来、14年に渡って群馬県内の様々な病気の患者さんを治してきました。

今までに経験した症例数は県内で随一です。
銀座にも分院を出し、たくさんの美容外科で失敗された方々の修正手術も行ってきました。

それらの経験を元に、群馬県の方々に痛みのない仕上がりの良い全国的にもベストな医療を提供したいと思っています。どうぞお気軽にご相談いただけましたら幸いです。

新前橋かしま眼科形成外科クニリック
理事長 鹿嶋友敬

先天性眼瞼下垂症について

先天性眼瞼下垂とは?

まぶたが垂れ下がることを眼瞼下垂と呼びます。上眼瞼の位置は、正常だと角膜上縁の下方0.5~1.0mmにあり、上まぶたが正常よりも低い位置に下がった場合、眼瞼下垂と見なされますが、出生時または生後1年以内に眼瞼下垂がある場合に先天性眼瞼下垂と呼ばれます。

先天性眼瞼下垂のほとんどの場合には、単独で発生し、全身の病気とは関係ありません。先天性眼瞼下垂は、男女での性差はなく、片目にも両目にも発症します。

先天性眼瞼下垂症の原因について

先天性眼瞼下垂の多くの場合に原因はありませんが、一部では遺伝(常染色体・優性)によって発生します。先天性眼瞼下垂患者の挙筋および腱膜組織は、脂肪および線維組織に置換されていることが組織学的に明らかになっています。

先天性眼瞼下垂は幼児期から存在するため、視力が発達しない「弱視」という状態になることがあります。弱視は眼瞼下垂による遮蔽により視覚が障害されることによって生じることもあれば、角膜の歪みによる乱視の発生によって視覚障害が発生し、その結果として弱視になることもあります。
弱視は早期手術の適応となりえます。また眼瞼下垂の状態では整容的に良好ではないことが多く、その場合にも手術が勧められます。

先天性眼瞼下垂症の治療法

眼瞼下垂の治療

弱視の可能性があるの場合は、
早期の手術が必要です

全ての先天性眼瞼下垂患者に手術が必要なわけではありませんが、弱視の可能性について患児を注意深く経過観察する必要があります。
弱視は7〜10歳を過ぎると元に戻らない可能性が高いため、視力を維持するにはその時期以前に手術を行うことが非常に重要です。

3歳から7歳までに
弱視の発生有無の診断が必要です

また、一方で視力検査は3~4歳以上で可能になるため、弱視の診断はこの時期を過ぎるまで行うことが出来ず、つまり3歳から7歳までの期間に弱視の発生の有無を診断し、弱視が見られた場合もしくは疑われた場合には手術を行うべきであると考えられます(重度の眼性斜頸がある場合を除く)。
また、眼瞼下垂であると、容姿の問題から発育に悪影響を及ぼす可能性があります。

先天性眼瞼下垂症の
手術について

先天性眼瞼下垂症の手術方法

先天性眼瞼下垂では、身体的、機能的、心理的な影響があるため、いずれかの時点でいずれかの方法で手術をお勧めします。
手術方法は、治療目標、基礎診断、挙筋機能の程度によって異なります。
手術の主な目的は機能的なものですが、まぶたの形状、二重の幅などを左右対称にすることで、整容的に改善することも目的になります。

先天性眼瞼下垂への手術は、病気の重症度に応じて、どの年齢でも行うことができますが、特に重度の弱視または眼性斜頸が存在する場合は、早期の手術が必要になる場合があります。
眼性斜頸の重度の場合は、極端に頭を上げた姿勢により身体のバランスが崩れ、乳児期や幼児期の発達が遅れる可能性があります。早期手術が必要な状態でなければ、手術は通常3~4歳以降に行います。この年齢まで待つことで、術前により正確な測定が可能になります。

どの術式を行っても眼が閉じづらくなりますが、20~30代までは角膜表面が乾燥に比較的強いので問題になることはほとんどありません。逆に中高年期以降に手術を行うと角膜表面に傷がついて、痛み・異物感が起こることがあり、元に戻す手術を行うこともあります。

1.挙筋短縮術

挙筋短縮術

この手術は、まぶたの二重(ふたえ)部分を切開して挙筋腱膜とミュラー筋の複合体を短縮します。皮膚切開部は、もともとの二重部分もしくは新しく作成された二重の奥に隠れるようにします。

適応症:

挙筋短縮を行うには、中程度の挙筋機能が存在する必要があります。挙筋機能が4mmを超え6mm未満の場合は、22mm以上の挙筋切除が推奨されます。挙筋機能が6~8mmの場合、挙筋切除術は16~18mmとなります。挙筋機能が8mmを超える場合は、10~13mmの挙筋切除術が必要となります。挙筋機能が4 mm未満の場合、または上転障害がある場合には、十分にまぶたの挙上が行われない可能性があるだけでなく、角膜が大きく傷付いてしまう可能性があります。

ベル現象(目を閉じたときの眼球の上転)が弱い方、角膜の感度の低下または涙液の分泌が少ない方は、角膜びらんを引き起こす可能性があります。

手術結果:

患者は手術後数週間から数か月の間、睡眠中にまぶたを閉じることができなくなる場合があります。睡眠中にまぶたが開いてしまう問題は、時間の経過とともに改善されますが、ある程度残存します。

2.前頭筋吊り上げ術

適応について

まぶたを上げる筋肉が極端に弱い人(主に先天性)

手術方法について

この手術は眉とまぶたを繋ぐことにより、眉の挙上を通じて患者のまぶたの挙上が出来るようにする方法です。対称性を得るために重度の片側性の先天性眼瞼下垂症に対して両側にこの手術を行う場合もあります。

使用する材料として、患者の自身の大腿筋膜、組織バンクの大腿筋膜、非吸収性縫合糸材料(プロリン、ナイロンなど)、シリコンバンド、シリコンロッド、ゴアテックスシートなどが挙げられます。

ベル現象(目を閉じたときの眼球の上転)が弱い方、角膜の感度の低下または涙液の分泌が少ない方は、角膜びらんを引き起こす可能性があります。

手術結果

患者は手術後数週間から数か月の間、睡眠中にまぶたを閉じることができなくなる場合があります。睡眠中にまぶたが開いてしまう問題は、時間の経過とともに改善されますが、ある程度残存します。

3.ミュラー筋タッキング
もしくは切除術

この手術は、まぶたのフェニレフリンに対する反応が良好な場合に選択されます。

結膜とミュラー筋にマークを付け、クランプで縫合します。組織が切除されます。その後、結膜層が閉じられます。

この処置は先天性眼瞼下垂の場合にはあまり行われませんが、その使用については十分に文書化されており、最近の文献ではその有用性が高まっています。

先天性眼瞼下垂手術の合併症

先天性眼瞼下垂修復のための手術に関連する合併症には、次のようなものがあります。

  • 創部瘢痕・肉芽腫
  • 眼瞼形状の非対称性
  • 過矯正による角膜びらんとドライアイ
  • 低矯正による再手術
  • 材料の露出
  • 感染

先天性眼瞼下垂手術の予後

先天性眼瞼下垂を修復すると、機能的にも美容的にも優れた結果が得られます。

綿密な経過観察とアイパッチなどの治療により、弱視は治療することができます。

手術を行った患者のうち、50%以上が最初の手術から8~10年以内に再手術を必要とする可能性があります。

先天性眼瞼下垂手術の再発例

当院で行う先天性眼瞼下垂の患者さんは、他院で昔手術をしたけれども上がらなかった、再発してしまった、という方ばかりです。再発した場合にも追加手術で改善が得られる可能性が高いです。

手術をご希望の場合には以前どの術式が行われたか、現状がどの程度角膜が傷ついているのかなどを確認し、適切な手術法を選択します。

先天性眼瞼下垂症の
症例について

症例1.20代女性「左先天性眼瞼下垂の他院手術後の修正手術」

約20歳女性。
左眼瞼下垂に対して地域の大学病院で2回の手術をしましたが、まぶたが上がらなかったため、来院されました。

  • 術前

    左先天性眼瞼下垂の状態です。左は眼瞼下垂、右は皮膚弛緩があり、眼瞼の形状が大きく異なるため、大きな左右差を感じます。

  • 術後3カ月

    術後には重瞼の幅や見開きの程度が左右でほぼ同じ状態になりました。左右差をほとんど感じなくなっています。

治療内容について

治療内容 右眼:皮膚切除+重瞼作成
左眼:挙筋短縮+皮膚切除+重瞼作成
執刀医 鹿嶋友敬先生
  • 術前

    眼瞼下垂のために、どことなく暗い印象になってしまっているのが分かります。

  • 術後3カ月

    眼瞼下垂を治すだけで、このように明るい印象にすることが出来ました。

症例2.30代女性「左先天性眼瞼下垂の他院手術後の修正手術」

約30歳女性。
左先天性眼瞼下垂に対して大学病院で1回、違う大病院で1回の手術を行いましたが、改善されずに来院されました。

  • 術前

    左先天性眼瞼下垂のため、黒目の露出が少なく、どこか暗い印象になってしまっています。2つの大病院で手術を受けましたが、挙上は不十分でした。

  • 術後3カ月

    術後には重瞼の幅や見開きの程度が左右でほぼ同じ状態になりました。左右差をほとんど感じなくなっています。

治療内容について

治療内容 左眼:挙筋短縮+皮膚切除+重瞼作成
執刀医 鹿嶋友敬先生
  • 術前

    まぶたが下がってしまっているので暗い印象になってしまっています。

  • 術後3カ月

    見開きの左右差が解消し、二重のラインもきれいになったので目つきがとても綺麗になりました。

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我々は年間5,000件以上の眼瞼下垂手術を行っているため、多数の他院での失敗例を引き受けております。

手術の結果は医師によってさまざまであり、他院で上がらなかった方でも改善できる場合がほとんどです。どうか諦めずにご相談いただけたらと思います。

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眼瞼下垂治療の副作用や
リスク、注意事項

  • 術中にまぶたの形を確認するため主に局所麻酔で行いますが、小児の場合など状況に応じて全身麻酔で行います。
  • 術前に痛みを感じにくいように鎮静剤を使用することがあります。
  • 局所麻酔で手術をおこなう場合、重い痛みを感じることがあります。痛みが辛いようであれば、麻酔薬の追加や鎮痛剤の投与で対応します。
  • 複数回手術をされている方は痛みが強い傾向にあります。
  • できるだけ左右差を少なくするように手術を行いますが、完全に左右対称にはなりません。術後に左右差が大きい場合には再度縫合処置をしたり、再手術を行ったりする事があります。
  • 術後徐々に傷痕は目立たなくなりますが傷痕が目立ったり、ケロイドになったりすることがあります。
  • 術後に傷が離解した場合は再度縫合処置が必要です。
  • 感染などで眼窩蜂巣炎になることがあります。
  • 術中鎮静剤を使用した場合血圧低下、除脈、呼吸抑制などが起こることがあります。

同意書文面

他院下垂術後の修正手術を受けられる患者さん、ご家族のみなさまへ

この説明書は、他院下垂術後の修正手術について説明したものです。
わからないことがありましたら、担当医にお尋ねください。
治療を受けられる場合は、下記に「同意書PDF」を用意しておりますので、
一度目を通していただき署名をお願いいたします。

同意書文面(PDF)

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著者情報

鹿嶋 友敬

Tomoyuki Kashima
/ MD, PhD

患者さんへのご挨拶

これまで10年以上にわたり日米通算1万件以上の手術を行って参りました。 今までに私が培ってきた最先端医療の知識や経験を日本でお困りの患者さんの為に提供していきたいと思っています。

経 歴

2002年 群馬大医学部卒 群馬大学
眼科学教室
2004年 伊勢崎市民病院
2005年 群馬大眼科
2007年-09年 聖隷浜松病院
眼形成眼窩外科へ国内留学
2009年 群馬大にて眼形成外来を開設
2012年 学位取得
群馬大学眼科 助教
2010年-18年 アジア太平洋眼形成学会理事
2015年-16年 カリフォルニア大学
ロサンゼルス校へ留学
2017年 新前橋かしま眼科形成外科
クリニック 開院
2018年 オキュロフェイシャルクリニック
東京 開院
2019年 The NewYork Times特別企画「Next Era Leaders 2019」選出
2020年 アメリカ眼形成学会(ASOPRS)会員

海外・国内活動

2009年 Singapore National Eye Center
2010年 アジア太平洋眼形成外科学会 北京
Invited Speaker
2011年 ヨーロッパ眼形成学会 コモ(イタリア)
2012年 世界眼科会議 アブダビ
Invited Speaker Asia ARVO 
シンガポール Invited Speaker APAO 釜山 Invited Speaker
アメリカ眼科学会 シカゴ
Invited Speaker
2013年 APAO ハイデラバード
Invited Speaker アメリカ小児眼科学会
シンガポール Invited Speaker
ヨーロッパ眼形成学会 バルセロナ
2014年 世界眼科会議 東京 Invited Speaker
アジア太平洋眼形成外科学会 デリー
アメリカ眼形成学会 シカゴ
2015年 APAO 広州 Invited Speaker
2016年 KSAS(Korea Society of Aesthetic Surgery) meeting in Seoul
ITEDS(International Thyroid
Eye Disease) meeting in
London APSOPRS &
JSOPRS joint meeting session
chair iseminer
甲状腺眼症の手術治療など講演多数。
2017年 アメリカ眼科アカデミーinstructor、
韓国眼形成学会invited speaker、
中国眼形成学会invited speaker
2018年 アジア太平洋国際学会APAO invited speaker
2019年 アジア太平洋国際学会APAO invited speaker、
ITEDS invited speaker、
OPAIC invited speaker
2021年 アジア太平洋眼形成学会 invited speaker

監修・著書

メオアイス
監修

外眼部の周術期のケアに

メオアイス
名古屋眼鏡 まぶたやその周囲の手術のあとの”腫れ”や”痛み”を防止する目的で作られた医療用商品です。

アトラス眼瞼手術
著書

責任編集者

超アトラス 眼瞼手術
全日本病院出版 眼科と形成外科のコラボレーションを目指す、意欲的なアトラスが登場! オールカラーの連続写真、詳細なシェーマでわかりやすく解説されています。

眼瞼形成手術の基本手技
著書

責任編集者

ここからスタート! 眼形成手術の基本手技
全日本病院出版 眼形成外科を目指すドクターへの入門書。手術の道具や手技を詳細に解説しています。

鹿嶋先生 公式ブログはこちら
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